びわ湖一周の基礎知識

一周はどれくらいの距離? どれだけ時間がかかる?

 びわ湖は一周(南は瀬田唐橋まで)約200km。琵琶湖大橋以北の「北湖(ほっこ)」一周なら約160km。大橋以南の南湖(なんこ)は省略して「ビワイチ達成」とする人もいます。いずれにせよ、健脚サイクリストなら1日でも可能ですが、ほとんどペダルを踏むだけの旅より、ゆっくり休憩し、名所に立ち寄り、美味しいものを味わうなど、湖畔の魅力を楽しむために1泊2日以上の日程をおすすめします。

北湖、南湖説明図

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ビワイチに適した季節は?

 気温・天候・風などを考えると、春から初夏(特に5月)と秋でしょう。夏休みにチャレンジしようという人は多いのですが、炎天下の長時間走行は熱中症の危険が高く、十分な対策と注意が必要です。冬は湖北に積雪があり、自転車の走行は難しくなります。

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どんな自転車がいい?

 車重の軽い、変速機付きスポーツ自転車が適しています。

1 ロードバイク

 舗装路でスピードを楽しむ車種。ドロップハンドルに細いタイヤ。シンプルで軽いのですが、乗り心地は硬い印象です。

ロードバイクイメージ

2 クロスバイク

 ロードバイクとマウンテンバイクの中間的車種で、日常生活でも活用でき、初心者のスポーツ車入門用に最適。もちろんビワイチ用としても十分な性能です。

クロスバイクイメージ

3 マウンテンバイク

 本来は未舗装路走行用。サスペンションが付き、柔らかい乗り心地ですが、標準装着のブロックタイヤ(表面にゴツゴツした突起が並んだタイヤ)は舗装路面では力の無駄があるので、ビワイチに使うなら舗装路用タイヤへの交換をおすすめします。

マウンテンバイクイメージ

4 小径車(ミニべロ)

 20インチ以下のタイヤを履いた車種。折りたたみ可能なタイプは鉄道・自動車と組み合わせた旅に便利。これも変速機付きのスポーツ車を選ぶべきですが、ロードバイクと同じスピードで一緒に走るのはちょっと厳しいでしょう。

ミニベロイメージ

5 シティサイクル(軽快車 いわゆる「ママチャリ」)

 日常的に近所を走るための車種で、長距離走行用に設計されていないのでビワイチにはおすすめできません。使わざるを得ない場合は、サドルを両足のつま先が付くくらいの高さに合わせ、タイヤの空気圧を高めに。電動アシスト車は、一周の途中でアシスト電力を使い切ってしまうので、どこかで充電の必要があります。

シティサイクルイメージ

※写真提供:ブリヂストンサイクル(株)

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自転車はどうやって運ぶ?

 遠方からびわ湖を目指すには、何らかの方法で自転車を運ぶ必要があります。

1 電車で

 車輪を外し(たいていのスポーツ自転車は簡単に外せます)、専用の輪行(りんこう)バッグに収めれば車内に持ち込めます。混雑時には周囲への気配りを忘れずに。

輪行バッグイメージ

※写真提供:アズマ産業(株)

2 自動車で

 ワゴン車ならそのまま荷室へ、乗用車なら車輪を外してトランクに収納。屋根や尾部に装着する自転車用キャリアもあります。

3 宅配便で

 自転車を自宅から宅配便で目的地へ送り、身軽にびわ湖へ。車輪を外した自転車を専用の箱で梱包し、送ることができるサービスがあります。前もって自分で梱包することが必要なので、お申し込みはお早めに。

  • シクロエクスプレス TEL 03−6427−7598
  • カンガルー自転車輸送便 お近くの西濃運輸へ

4 レンタサイクル

 自分の自転車ではなく、レンタサイクルを活用する方法もあります。輪の国びわ湖では、本格的なクロスバイクやロードバイクのレンタルを行っているNPO法人五環生活の「びわこ一周レンタサイクル」をお勧めしています。

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どんな服装がいい?

 サイクリングはスポーツです。それに適した服装を選びましょう。

▶安全のために必ず自転車用ヘルメットの着用を。自転車事故での死亡原因の約2/3が頭部の損傷です。前部は目の上まで深く被るように。また走行中の視界確保のためにサングラスなどアイウェアもあるといいでしょう。 ▶朝と昼の気温差が大きい季節は、薄手の衣類を重ね、着脱しながら寒暖に対応する工夫を。薄いナイロン生地のウィンドブレーカーは重宝します。 ▶ズボンは裾が細身のものが適していますが、スリムなジーンズは足と膝がスムーズに動きにくいので不適。スラックスは裾がギアに引っ掛かりやすく、転倒の危険性があるので、必ず自転車用裾留めなどでとめてください。 ▶上着は適度に細身のものを選びましょう。ルーズな服装は空気抵抗が大きく、走行中パタパタするので適しません。またダウンジャケットは身体が熱くなり過ぎます。 ▶手の疲労軽減や滑り止め、転倒時の安全のために手袋を。ただし滑り止め付き軍手は、転倒時に路面との摩擦で手首にダメージを負う危険性があるので不適です。 ▶雨具は防寒着に代用できて便利。アウトドア用のセパレート型がおすすめ。やはり身体にフィットしないものは避けましょう。 ▶長時間日光にあたるので、日焼け対策には十分な注意を。紫外線は夏より春の方が強いのです。夏場は長袖か半袖か、どっちが良いかについては、本書スタッフの間でも「長時間日光と風圧を受けると体力を消耗する」「風を受けた方が爽快」と意見が分かれています。 ▶靴は底が硬く薄いものが適しています。柔らかい厚底のウォーキングシューズは力のロスが大きくなります。

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どんな持ち物が必要?

1 バッグ

 荷物は必要最小限にまとめ、極力、軽くコンパクトに。デイパックを使う人が多いですが、荷物を背負うより後輪の荷台、サドルに装着するバッグなど、車体に取り付ける方がバランス良く、操縦性に影響が少なくなります。最も安定が良いのは車輪の両側に分ける自転車用サイドバッグです。

サイドバッグイメージ

2 水分・軽食

 水やお茶、スポーツドリンクなどで、こまめに水分補給を。ただし冷水のガブ飲みは禁物。糖分が高いジュースなどは喉が渇きやすいので不適(走行後の疲労回復には効果あり)。フレームにボトルホルダーを付けると便利ですが、走行しながら飲むのはやめましょう。また食事を摂り損ねる場合もあるので、携帯食を持っておくのもいいでしょう。

3 ライト

 日没までに走り終えるスケジュールが基本ですが、やむを得ず日没後に走る時やトンネル内通過時には必要。小型のLEDライトが人気です。

ライトイメージ

4 パンク修理キット・工具

 トラブルで最も多いのはパンクです。予備のチューブと携帯式空気入れもお忘れなく。グループの場合はみんなで分担して持つと負担が軽いです。手に負えない故障が起こった場合は「サイクルレスキュー」へご連絡を。

パンク修理キットイメージ

5 地図

 最近はモバイルを活用する人も多いようです。本ウェブサイトもスマートフォンに対応していますので、サイクリングマップのページ等ぜひご活用ください。

6 救急用品

 万が一の場合の応急処置に必要な救急品をグループで一つは備えましょう。また保険証・身分証明書のコピーも持っておきましょう。
※ビワイチを途中で断念した場合に備え、最寄の鉄道駅から帰るための輪行バッグを持つ人もいます。

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どんな点検が必要?

 出発前に必ず行ってください。異常があれば修理し、自分の手に負えなければ自転車店に依頼を。点検項目は以下の通りです。

点検位置説明図

【1】タイヤの空気圧

 適正な空気圧であれば走行抵抗が少なく、疲労も少なく走れます。これが低いとペダルが重くなるため疲れやすく、パンクも起こりやすくなります。適正値はタイヤ側部に記してあります。自転車店でメーター付きポンプを借りるとそれに合わせられますが、適正な空気圧のタイヤを指で押して、どのくらいの硬さが適当か、普段から感覚で覚えておきましょう。指で力一杯押してかすかにへこむ程度を目安に。

【2】チェーン

 油は軽く濡れて見えるくらいが最適。黒い油垢はきれいに拭き取っておきましょう。

【3】ブレーキ

 前後ともスムーズに作動し、左右両側のゴム(シュー)が偏りなく車輪を挟むか、ゴムが車輪に触れていないかを確認しておきましょう。

【4】ネジ

 各部のネジがゆるんでいないか、ガタつきがないか、異音がしないかも忘れずチェックを。

【5】ポジション

 サドルとハンドルの高さ・位置が身体に合わないと疲労や筋肉痛の原因になります。サドルの高さは、またがって両足のつま先が地面に付くくらいが一応の標準ですが、走っているうちに「もっとピッタリ合うように調整できるのでは?」と感じるかもしれません。最適なポジションには案外ピタリと合わせにくいので、スポーツ車を扱う自転車専門店に相談してみましょう。

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保険

 いざという時のため、保険には加入しておきましょう。自動車保険の特約など、自転車向けの保険プランには様々なものがあります。またグループで一時的に加入できる「レクリエーション保険」もあります。保険代理店に問い合わせを。

au損保

http://www.au−sonpo.co.jp/pc/bycle/

チューリッヒ

https://www.zurich.co.jp/pa/lite/bicycle/

SBI損保

http://www.sbisonpo.co.jp/car/ad/bicycle.html

ジャパン少額短期保険

http://charipo.net/

DeNAトラベル

http://bicycle.sougouhoken.jp/

三井住友海上

http://www.mitsuisougou.com/bicycle/
http://www.cycle−hoken.com/gk/index.html
http://jitensya.ehokenstore.com/(セブンイレブン)

損保ジャパン日本興亜

http://shougaihoken.info/

朝日火災海上保険

http://lyblo.com/

イオン損害保険

http://www.hokenmarket.net/member/jitensha.html

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長距離を走るコツ

 8割くらいの力で、ほぼ一定の速度でペダルを回し続け、できるだけそのペースを保つように、適切なギアを選ぶのが疲労を少なくするコツです。重いギアでグイグイ踏み込むより、「多少軽めかな?」と感じるくらいのギアを選ぶ方が疲れにくいです。坂を上る場合も軽めのギアを選び、焦らず、ややゆっくりと感じられるペースで。

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計画の注意点

 できるだけ早朝に出発し、午後早いうちに走り終えて、後はのんびりするのが理想です。急なトラブルにも対応でき、気分的に余裕を持つのが安全上も大切です。日没後の走行は禁物。視界が悪くなった上に、慣れない土地では道を間違えやすくなります。予定の地点に着かないうちに日没を迎えると、「早く目的地に着かなければ」と気持ちが焦って無理な運転をしがちになり、さらに危険が増します。

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湖周の走り方

 本書では反時計回り(つまり湖を左に見る)をおすすめしています。自転車は左側通行なので、その方が湖岸に近いところを走れて、景色が良く、交差する道も少なくなるためです。東岸の多くの部分に自転車歩行者共有の通行道が整備されていますので、歩行者優先で走行しましょう(地図参照)。

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集団走行で気をつけること

 仲間と一緒に走るのは楽しいだけではなく、工具・救急用品などを分担して持つことができ、万一のトラブルの際にも適切な対処がしやすくなります。5人程度のグループに分け、経験者が先頭と最後尾に付きます。速い人が独走せず、全体がバラバラにならないように注意し、遅い人のペースに合わせます。遅い人を急かすと心理的に余裕がなくなり、トラブルにつながりかねません。左折・右折・停止などの情報を後方に伝える手信号(ハンドサイン)をまず全員で確認しましょう(イラスト参照)。必ず一列で走り、追い抜きは禁止。トラブルやはぐれた際には携帯電話も活用しましょう。

手信号説明図

 方向転換の際は、必ず曲がる方向の手を横に出して後の仲間に合図【1】【2】。停止の場合は右手を後ろに向け、手のひらを広げます【3】。左折の場合は右手の肘から先を上に向けるのが正式なのですが【4】、左手で指示する方がわかりやすいので【1】をおすすめします。スタート前に必ず全員に周知徹底を。

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途中のルートの状況は?

 湖周はほぼ平坦ですが、湖北の木之本〜塩津間と、塩津〜永原に抜ける途中にアップダウンがあります。湖東の大津港〜木之本間は湖岸道がほぼ整備されています。湖西の高島〜北小松間は交通量の多い国道を走らなければならず、また北小松〜堅田はクルマの少ない裏道を縫って走ります。堅田〜大津港間は自転車道が未整備で、交通量の多い道を走ることになるため要注意です。堅田から琵琶湖大橋を渡り、東岸を大津港まで走る人もいます。
 事前にインターネットで経験者の情報を収集するのも大いに役立ちます。

ルート状況説明図

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