びわ湖の快適・安全な走り方 「決して無理をしちゃいけないよ。トンネルを出るまではね」

「びわこじてんしゃ 2015 春 Vol.4」より

tunnel

 トンネルには不思議な魅力がある。何かが潜んでいそうな、狭く暗い空間。遠く光る出口の向こうには、こちらとは違った世界が広がっている気がする。トンネルを通ると、何故かいつも心が騒ぐ。

 ビワイチでは、奥琵琶湖にあるいくつかのトンネルを通過することになる。そして、そこには魅力と一緒に、危険も潜んでいる。

 まず、トンネル内をライトなしで走るのは自殺行為に等しい。率先して「心霊スポット」作りに貢献したいと思う人以外、止めておいた方がいい。前照灯はもちろん、尾灯も点ける方が安心だ。トンネル内には路面状態が悪い箇所も多い。前照灯は路面をしっかり照らすことのできる光量があるものを選ぼう。

 トンネル内では道路幅が狭くなることが多く、自転車のすぐ横を自動車が追い越していくことになる。大きなトラックなどが通ると、風圧の影響をかなり受ける。また、反響で自動車の走行音が轟音となり、心理的にも強く圧迫される。恐怖心を抱くことさえ少なくない。

 歩道等があるトンネルなら、初心者はそこを通行する方が安全だろう。幅員の広い自歩道がある場合は、自転車に乗ったまま徐行で走ることもできる。ただ、ここは自転車を降りて、ゆっくり押しながら歩くのが一番安心だ。長距離走行では、自分が思っている以上に疲労が溜まっていることがある。とっさの判断能力や運動能力が鈍っていることも多い。少しでも危険を感じたら、決して無理をしないようにしよう。

 トンネルによっては、片側だけに幅員の広い歩道等があり、反対側は幅員がとても狭かったり、通行不可だったりするものもある。冬季の一定期間、通行止めになるトンネルもある。Webやガイドブックなどで事前にチェックした方がいい。

 魅力いっぱいのビワイチ。取り憑かれて安全が疎かにならないように。くれぐれも。

(南井良彦)


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