ビワイチコミュニティ 自粛期間、どう走ってた? with コロナも自転車とともに

「びわこじてんしゃ2020 秋 Vol.16」より

感染症が世界中で蔓延するという、多くの人がかつて経験したことのない息苦しい時代の中、自転車の達人たちはどんなふうに過ごしていたのかを尋ねてみました。

山手の道をしらみつぶしに走る

ネジバナ

 年1回程度、海外を自転車で走りに行くのを趣味にしているが、このご時世では海外なんてとんでもない。国内でも遠くへは行きづらい。自宅で仕事をしており、会議もオンラインになったので、旅どころか、家から一歩も出ない日が多くなってしまった。
 幸い、適度な運動とストレス解消のため、自転車に乗ることは推奨されている。
 しかし、旅好きで、初めての所を訪ねるのを好む私としては、何度も同じところを走っても面白く

ない。 そこで、地図を見て、自宅からほぼ50km以内で行って帰れる所で、かつ山の中など人の少なそうな所にある道を走りつぶして行くことにした。
 山の中の細い道を「本当に通れるんだろうか?」と思いながら、探検気分で進んでいく。激坂も多いが、50km程度しか走らないためそれほどの負荷ではない。

ツチノコ!? 蛇に擬態する芋虫

 春から夏にかけての花の多い季節だったので、道端の花々も楽しめる。ときにはちょっとめずらしい虫や動物にも出会える。日本の原風景と言えるような集落と田んぼの景色や、味わいのある神社などもあちらこちらに残っている。遠くまでいかなくてもいろいろ発見がある。
 ロードバイクに乗っているので、未舗装になったら引き返す。ときには木が倒れて道を塞いでいたり、道が崩れていたりもする。行けるところまで行って、もう無理となったら引き返す。マウンテンバイクで、未舗装路をどこまで行けるか探検してみるのも面白いだろうと思う。
 私はサイクリングコースやマップづくりもしているので、新しいコース開発にも役立つだろう。

(輪の国びわ湖推進協議会会長 藤本芳一)

 

普段と一緒? いや、新しい楽しみ方を発見♪

朝宮の茶畑にて……この風景を独り占め

 新型コロナが2020年をめちゃくちゃにしてしまった。自転車イベントの多くも中止や延期になり、主催者や参加者も大変残念な思いをしている。かく言う私もその1人。半年以上かけて準備したイベントすべてが実施できなかった。
 自粛期間中は不要不急の外出は避け、ましてや県外への移動はNGと気晴らしもできない雰囲気。
 そんな状況下での私の自転車との関わり方。
 要するにウイルスを撒き散らさないということが肝要。
 「ボッチ、超田舎、自宅出発圏、店立寄り少なく、マスク持参など」という自主基準を設けてサイクリングへ繰り出した。
 自宅出発で信楽方面へ。三筋の滝から朝宮の茶畑などへと行ってみたが車も人もほぼ誰とも会わずに楽しめた。あとでSNSをみると友人達みんなボッチで時間差で通過してたり……(笑)。
 元々ボッチサイクリング好きの私は滋賀の旧街道めぐりが趣味。三雲から甲賀へと杣街道を探索しながらのコースも1人でゆっくりめぐることができた。
 ん?ということはいつもとやってることは大して変わらんのかも……。

 もう一つ。電車に乗る時間を減らすため、自転車通勤を取り入れた。
 草津から大津まで近江大橋を渡り、なぎさ公園を走り抜けていくコース。
 これがなんとも気持ちいい。朝の公園の清々しさ、夕暮れの琵琶湖の景色。自転車に変えただけで通勤の時間が旅になってしまった。
 そんな形で私の自粛期間中は逆に自転車の素晴らしさを改めて感じることのできた時間となった。
 気持ちが内向きになりがちだが、自転車に乗って楽しめばきっとコロナには負けないはず!

(滋賀県草津市 フナズシマルさん)

 

何かと制約されがちな昨今ですが、工夫しだいで今までとちょっと違った自転車ライフが楽しめます。閉じこもって鬱々としないで、サイクリングに出かけましょう!


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