びわ湖の快適・安全な走り方
白鬚神社前に県内初の自転車レーンが誕生!

「びわこじてんしゃ2024 秋 Vol.24」より

あの難関箇所が変貌

 高島市内の国道161の白鬚神社前と言えば、ビワイチの難関箇所トップ3に長らく入っていた。南北を結ぶ道路がこの付近で1本にしぼられ、直線でもあるため、大型車を含めた交通量が多い上に速度も高く、車道の左側を走るのは相当慣れたサイクリストでないと怖くて無理だという場所だった。本誌18号には、10歳の子がここについて「大型トラックの巻き起こす風で自転車ごと倒れないよう、泣きたい気持ちになりながら走りました」という体験記を寄せてくれている。私も仲間とのファンライドではいつも、山側の細く段差のある歩道を逆走していた。
 しかし、ここ数年はその道路整備が徐々に進んできているのを見てきた。
 2022年5月に走ったときには立派な自転車走行空間が整備されていることに感激した。近江高島駅から南下し、湖岸に出る手前で国道161の下をくぐると車道左側にスムーズに出られる。そこには、自転車通行指定位置を示す見慣れた青色破線ではなく、青色実線とビワイチマークが路面に描かれ、そこにはみ出さないようにお行儀よくクルマは走っていた。自転車走行位置の幅は一番狭いところでもクルマの危険を感じなくて済む程度の広さはあった。安心感を持って快適に走ることができ、清々しい気分になれた。
 これからは楽しく走れると思っていたら、今年3月に「白鬚神社前に自転車レーンができた」というニュースが飛び込んできた。私が走ったあれは自転車レーンではなかったのか?

そもそも自転車レーンとは?

 調べると、道路交通法に基づく「普通自転車専用通行帯」の指定を受けているかどうかの違いがあり、「自転車レーン」には自転車専用を記した標識の設置と路面標示が必須だという。つまり、2024年2月までのここは法的拘束力のない自転車ナビマークがあるのと同じようなものだったわけだ。そして3月からはクルマやバイクは指定位置を通ることができず、また自転車が走る際には必ず指定位置を通らないといけないことになったと。ううん、ややこしい。走る側の意識としてはほぼ変わらないだろうが。

滋賀にもっと自転車走行空間の整備を!

 ここが県内初の自転車レーンであり、今後ビワイチルートに増えていく予定だそうだ。期待すると共に、日常乗りをするサイクリストとしては、車道と完全に分離された自転車の走行位置指定を生活道路にも進めてほしい、と思うのであった。

(南村 多津恵)